流浪の月/おすすめ小説

今回は映画化もされた小説の紹介です

人との繋がり、本当の絆を考えさせてくれる作品です

目次

あらすじ

10歳の少女・更紗 (さらさ)は、引き取られた伯母の家に帰ることをためらい、雨の公園で孤独に時間を持て余していた

そこに現れた孤独な大学生の文 (ふみ)は、少女の事情を察して彼女を自宅に招き入れる

文の家でようやく心安らかな時を過ごし、初めて自分の居場所を手にした喜びを実感する更紗

しかし2ヵ月後、文が誘拐犯として逮捕され、2人の束の間の幸せは終わりを告げる

15年後、恋人と同棲生活を送っていた更紗は、カフェを営む文と偶然の再会を果たす

孤独と孤独

この小説はを読んで感じたことの一つが、あるがままに生きることの難しさです

僕達は普段の生活の中で、この人はどんな人かを無意識に判断しています

その基準に若干の個人差はあれど、大きな土台としてその人が世間から見て

普通であるかどうかを見極めていると思います

異質的な部分はないかを「世間の普通」という基準で比較してみていきます

主人公の文と更紗はこの世間の普通という基準から少しだけズレたれ部分を持ち合わせています

例えるなら、パズルのピースで3面は世間と一致するのに、残りの1面のみが世間と一致しない

そんな感覚です

1面だけが一致しないだけで、文と更紗は世間の輪に入りきれず、孤独に落ちていきます

自分らしさや、本当の自分を出そうとすると、世間からよそ者扱いにされる、本当の居場所を見つけられないまま過ごしていく

そんな孤独に苦しんでいた、文と更紗は偶然公園で出会います

文は大学生、更紗は小学生

2人は自然な流れで、文の暮らす部屋に行き、そこで2人だけの生活が始まります

世間から外されたピースが奇跡的にハマるようなそんな印象を持ちました

事実と真実

文の家に上がり込んで、好き放題に過ごす更紗、それを静かに見つめる文

お互いに心を通わせながら、2人だけの特別な時間が過ぎていきます

ただ、世間では小学生が公園から消えたと事件扱いとされ、報道されます

そのことを知りながらも、2人だけで過ごすことを決めた文と更紗

ある日、更紗のわがままで外出することになった2人

しかし、ニュースで流れている子だとバレて、文は警察に捕まり、更紗は身内の家に引き取られていきます

世間では更紗は変態ロリコン男に誘拐された可愛そうな小学生

文は小学生誘拐犯というレッテルを貼られます

実際にこのような事件が起きた場合、このように報道されるのは至極当然で、世間の反応も変態ロリコン男と揶揄を飛ばすと思います

文は加害者、更紗は被害者

この構図でしか、世間には捉えることが出来ません、なぜなら起きた「事実」しか知らないためです

ただ「真実」は違います

言葉では表現できませんが、2人は特別な関係で繋がっていました

「世間の普通という評価」と「事実と真実の相違」により2人は、本当に孤独になり引き裂かれていきます

世間≒自分

小説を読んでいく中で、世間≒自分ではないのかと考えるようになりました

僕自身がもし、文や更紗と会ったときに、他の人と全く同じように接することが出来るのか

文と更紗の事件を知ったときに、表面上の報道のみで、安易に文のことを軽蔑したりしないだろうか

更紗の事を可愛そうだと思わないか考えました

多分僕は今回の小説の世間のような反応はすると思います、特に悪気もなくそれが自然という形で

小説だけ読んで神視点で俯瞰的に見れば、世間の反応が間違っていると気づけますが、自分が世間の中に居たときに、それに気づけるとは思いません

誰が悪いわけではないですが、非常に難しい問題です、

再会、そして…

引き裂かれてから15年後、2人は再会します

再会してからも、世間からの風当たりはきつく、厳しい世界が待っています

それでも2人が決めた選択肢、文の隠された秘密

最期の2人の結末

気になる方はぜひ読んでみてください!!

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この記事を書いた人

岐阜に住む35歳。
妻と猫の2人と1匹暮らし。
実際に体験したことや好きなことを中心におすすめ情報を書いています。

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