本屋で面白そうな本はないかと探していると偶然に目についた今作「変な家」
パラッとめくると家の間取りが描かれている。
著書:変な家
あなたは、この家の異常さが分かるだろうか。
おそらく、一見しただけでは、ごくありふれた民家に見えるだろう。しかし、注意深くすみずみまで見ると、家中のそこかしこに、奇妙な違和感が存在することに気づく。
その違和感が重なり、やがて一つの「事実」に結びつく。
それはあまりに恐ろしく、決して信じたくない事実である。
著書:変な家
間取り図とともに書かれていたこの文面を読んで、面白そうと思い購入。
今回は読了直後の感想・レビューを書いていきたいと思います。
ネタバレありで書いていきますので、まだ読んでない方は気をつけてください!!
感想・レビュー
良かった点・イマイチな点
読み終わったときに感じたことは、良かった点とイマイチな点がハッキリと分かれているということ。
良かった点
①違和感のある間取りから推理が始まるという斬新な切り口。
②実際に間取りが掲載されているので想像しやすいく、読者も考察できる部分。
③会話形式で非常に読みやすく、テンポがよい。
④前半の展開が非現実さはありつつも引き込まれる。
イマイチな点
①事件の真相は一族の左手供養という儀式によるものというこじつけ感。
②スッキリとしない終わり。
③後半からの展開が非現実過ぎるところ。
前半部分の感想
ここからは前半と後半に分けて感想を書いていきます。
前半部分はすごく面白く、これからどんな展開になるのかすごく気になりながら読めました。
もちろん、栗原さんの想像がぶっ飛んだものであることや、殺人用の家という推理は無理があるな〜と思いつつも、一つのエンタメとしては面白かったです。
宮江柚希さんが新たに出してきた埼玉県の間取り、そこからの推理。スピード感。これからどうなるんだろうというワクワク感がありました。
変な家には子供が二人いた事。
さらに宮江柚希さんが実は変な家に住んでいた片渕綾乃さんの妹であることが分かり、話は更にスピード感を増していく。
間取りというテーマから、ここまで会話形式でテンポよく進む話。そしてその話がすごく興味をそそられる。
この時点では今年の中でも上位に入る面白さでした。
しかし、後半に入り少し期待外れな展開に…。
後半部分の感想
後半に差し掛かり、自分の中でふと熱量が冷めてしまう瞬間がありました。
それは片渕柚希の父の実家での間取り図でのこと。
ここでも栗原の推理節が炸裂するのですが、ここでもまた1軒目、2軒目と同様の推理。
えっ、またこの展開の推理と少し熱が冷めてしまいました。隠し通路と殺害部屋。王道の推理。
絶対この家で殺人事件起きてますよ!感が凄いのです…。
そして、推理後の片渕柚希さんと母親の喜江さんとの会話。
ここから急にファンタジーな世界へと突入してしまいます。
一族の呪い、左手供養という儀式。
なんか思っていた展開と違うぞとなってきます…。
一族の過去の話はつまらないわけではないですが、前半の疾走感はなく、急にペースダウンした感が否めません。えっ、なんか間取り関係なくなってきている。家族の歴史の話やんと思わずにはいられません。
フィクションなんだから、そんな真面目に考えず、エンタメとして楽しめばいいのですが、間取りや事件の真相をなんかこじつけで解決していく感じが、読んでいてすごく気になりました。
違和感のる間取りから事件を推理していくとう、斬新な切り口ですごく面白かったのに、着地地点が雑な感じがして残念でした。
最後の最後の栗原さんの推理もまたもやもやさせる展開笑
最後の真相については分からず…、闇のまま。映画化ではどうなるだろうか…。
総評
前半は面白く、後半はイマイチ。
テンポの良い会話でのストーリー展開や、間取りというテーマでの斬新な推理は面白かった。
個人的は一族の呪い系ではなく、犯人がいて、犯人を推理していくような流れだともっと楽しめたと思う。
似た著書で「変な絵」もあるので、そっちも評価を見てみて良さそうなら読んでみようかな〜。
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