先月から中途採用で一緒に働くことになった50代男性のAさん。
Aさんを見ていて感じたことを今日は書いていきたいと思います!
年上部下と年下上司
Aさんとは仕事を通じてでしか、関わったことはないため、プライベートがどうとか、今までの経歴がどうとか、そういうバックグラウンドは知りません。
ただAさんを見て感じたことは、社会人として生きていくのには、大変なことがたくさんあるということ。
Aさんは50代で、僕よりも一回り以上上です。
そしてAさんの指導員は僕と同い年の34歳の人、Bさん。
年下の上司、年上の部下のねじれ関係。
この関係が難しい。
Aさんは決して仕事が出来るタイプではありません。
覚えるのも時間がかかり、慣れない介護職でミスも見られます。送迎の運転も下手な方です。
ただ仕事をおざなりにするわけではなく、休み時間には送迎ルートの確認などを必死にされています。
仕事は出来る方ではないけど、それなりに頑張っている中途採用の50代男性。
そんな、Aさんと一部のスタッフとのやり取りが少し気になるところがあるのです。
それはBさんが、Aさんに思いっきりタメ口なこと。
僕とBさんが話すときは、仕事でよくある丁寧な喋り方。敬語とタメ口の間のような感覚。
ですがAさんには完全タメ口。
Aさんが「〜〜はどうすればいいですか?」と聞くと「こうやればいいじゃん」という感じ。
僕はこの会話を聞いていてすごく違和感があります。
社会人と生きていく中で会社内のヒエラルキーのどこかに属します。
上司は部下に指示を出し、部下を上司に判断を仰ぐ。上司が部下を管理する。そういうヒエラルキー。
ただAさんとBさんの関係は会社内のヒエラルキーではなく、Bさん個人のヒエラルキーで見ている気がするのです。
自分より仕事ができず、覚えるのが遅い、それだけで自分の中でこの人は自分より下だと無意識に判断している感じ。
Aさんからしたら、Bさんなんて一回り以上下のガキみたいなもんです。
生きてきた人生の長さが違います。
そんなBさんにタメ口を使われて、内心どう思っているのだろうか。相当イライラしてないかな。
表面はハイハイと頭を下げて返事していますが、心の中はどうなんだろう。
50年という過去の歴史
1週間ほど前に、Aさんに送迎ルートを伝えるために、一緒に同乗したときのこと。
出身地の話になり、僕は長野出身と伝えると、Aさんから以前仕事でよく長野に行ってましたと返事が。
「以前大学で講師をしていた頃には、長野とかよく回ってたんですよ」とAさん。
長野に行っていたことより、大学で講師をしていた頃というワードにすごく驚きました。
Aさんの経歴は全く知りません。今までどんな仕事をしていたのか全く。すごく気になりますが。
この流れで、今までどんな仕事をしていたんですか?って聞こうかと思いましたが、寸前のところで止まりました。
なんで止まったのか、その理由はうまく言葉にできません。
なんとなく聞いてはいけないような、知らないほうがいいと思ったからなのか、まだその会話は僕たちには早いと思ったのか、いろんな理由っぽいのは出てきますが、核心的なのは見つからないまま。
でも大学で講師をされていた過去がある。きっと僕の知らないことをたくさん知っている。
Aさんを見るとき、現在の仕事というフィルターでしか見ることが出来ませんが、違うフィルターで見たらきっといろんな面が見えてきそう。
人と人
Aさんは以前の職場が潰れてしまい、転職してきたと話していたこともありました。
もし、僕やBさんが新卒や中途採用でその会社に入社にしていたらAさんが上司。
そうなったとき、Bさんはきっと敬語を使うだろう。
きっと人間自体が変わらなくても、環境やその場での関係性で人間の関係なんてすぐ変わるもの。
もしかしたら自分もいつかAさんと同じ立場に立つ可能性があります。
この先、今の会社が定年まで絶対に雇ってくれるなんて保証はどこにもない。
何十年と先の未来のこと、会社が倒産、自分がクビなんて可能性はいくらでもある。
そのときに全然関わりのない仕事に再就職し、年下の上司にタメ口を聞かれ、覚える仕事が多すぎてパンク状態。
耐えられるだろうか。なんで僕がこんな目に…なんてネガティブ思考に絶対なる。
今まで頑張って働いていたのに、全てがリセットされ、0からのスタートになる。このストレスは半端ない。
そんな状況、心境で働いているAさん。
仕事が出来る方ではないAさんですが、本当に頑張っていると思います。
AさんとBさんの関係性をみて思うこと。
それはどんな関係性であれ、人と人で接していく中で相手を下に見て、接することは良くないということ。
当たり前ですが、これがなかなか出来ないこと。
どんな人でも礼儀正しく接していき、その人を尊重できるような人間になりたいです。
そんな大人な自分になりたい。
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