人生経験を積んだ方とお話するのはときに自分の価値観を大きく変えることもあります
今回は以前関わっていたご利用者さんの会話で印象に残ったことがありました
きっかけは体重の減少、思い描いていた老後と違う…
僕の務めているデイケアでは3ヶ月に一度、定期的に体力測定を行っています
その際に体重測定も行うのですが、今回3ヶ月前より体重が4㎏も減っている方がいました
食欲はあるとのことですが、最近は悩みも増えていると話されました
話を傾聴していると、少しずつ家庭の事を話してくださいました
その方は男性で、奥さんとふたり暮らしでしたが、数年ほど前から奥さんの体調が悪化し始めたとのこと
1年前に転倒し骨折、寝たきり生活に、そして最近になり食道がんを発症されたとのこと
1ヶ月ほど前に手術は無事に終わったが話すことも出来ず、意思疎通が出来ない状態であるとのこと
現在は入院費や介護費用などで、月10万ほどかかっている現実があり、貯金を切り崩しながら生活している
仕事も引退し、これからゆっくりとした2人の時間が出来て、色んなことろにでかけたり、散歩などしたり
そんな老後を想像していたのに、こんなことになってしまい、本当に辛いと涙声で話されていました
僕はその方の話を聞くことしか出来ませんでした、少しでも話すことで気持ちが楽になるならばと聞き続けました
今ある当たり前は、当たり前ではないということ
仕事柄、高齢者の方々とお話することが多く、訪問リハビリの仕事をしたいたときには
難病の方やターミナルケアの方、またその家族様と多く関わらさせて頂きました
そのような方々とお話したり、触れ合う中でいつも思うことは
今ある当たり前は、当たり前ではないということ
日々過ごす中で、当たり前になりすぎて気づくこともできない
さりげないワンシーンでさえも、本当は当たり前ではない
それは健康があってのこと、体はもちろん、心も
おはようという、ご飯を食べる、テレビを見る、スマホをいじる、服を選ぶ、仕事に行く、車に乗る、おでかけする、友人と話す、親と話す
こんな日々の出来事は本当はとっても特別なこと
失ってから気づく、大切なところです
足るを知る
僕の好きな言葉の一つに【足るを知る】があります
これは何事に対しても、満足するという意識を持つことで、精神的に豊かになり、幸せな気持ちで生きていける
ということ
僕は【今置かれいる状況も実はとても満たされてる状況であり、それに気づくことで幸せになれる】と解釈しています
健康に過ごすことができている、友人がいる、家族がいる、帰る家がある、仕事がある、ご飯が食べられる
当たり前のようで、当たり前ではない
僕はこんな当たり前こそ本当に大切にしなければいけないものだと思っています
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